2012年5月15日火曜日

平清盛展


 
ずらり並ぶ、国宝や重要文化財群が

ひとつの時代の覇者の栄光を今に伝えます!


今・・・ 広島県立美術館で開催されている

平清盛展に行ってきました。


平清盛・・・という人は、どういう人だったのでしょうか・・・


昔だと、いかにも悪人風情で、一族のドンといった感じ・・・
とても非情なタイプに描かれる事が多かった。

助命を求める常盤御前に、ワシの后になるなら・・・
な~んて描かれるところでなんか、ワルっぽさ、ここに極まる感があったりするので

子供の頃・・・ 平清盛って良い印象が無かったですね。


そうかと思うと・・・


福原(神戸)での港の工事や、音戸(広島)の開削工事にあたって
人柱の代わりに、お経を書いた石を埋めた伝説が残されていたりもします。


どこか、間の抜けた話しのような気がしてしまう
頼朝や義経の命を助けてしまう話も、極悪非情な人であれば
宿敵である以上、摘める芽は摘んでおくように思います。


厳島に海上社殿を築いた時も・・・


権力者だけにパトロン役を担う事があるとしても、
後に一族で写経して、収めたとされる平家納経や、
清盛自筆とされる願文を読んでいると、かなり深く信仰していた様子が伺えたり、
私自身は、清盛の字を見ながら、この字が、本当に自筆ならば、
けっこう神経の細やかな人にように思えるなぁ・・・ なんて感じていました。

捉えどころがないんですね・・・


ただひとつ言えること

破壊も多かったけれど、ビルドがとても多かった・・・
新しい時代の扉を積極的に開いていった人。
面白い人生じゃなかったかな!?・・・ と。


そういう意味では、後に続いた 源頼朝なんかも似てますね。


今回、展示されている宝物。


平清盛と、その一族は

一族のうちで何かある事に、一層の繁栄を願って厳島神社に参拝し、
その時、数多くの宝物を神社に奉納しました。

これって、何かの運でしょうね・・・

これらを、もし京都に置いていたなら、今に伝わっていたものなのかどうか!?



 
一族の末永い繁栄の夢は叶わずとも・・・

平安時代の建築技術、工芸技術の粋を凝らした数々の宝物を今に残した平家。


平家納経が置かれた部屋は、その他宝物を含め、何度眺めても
ちょっと離れがたいものがあって、とても感動を覚えます!


後の世では、失われていく、何とも言えぬ優雅さが
この時代の宝物にはある気がします。
どこまでも豪華ではあるのですが、どこか爽やかさとか、慎ましやかさを残す、
そんな、際どいラインを突いています。


ところで・・・


工芸技術を凝らした凄い紙に、
字を書いていくって どんな気持ちなんでしょうね!?


こういう文章って、概ね続け文字が多かったりで、概して読みにくいものが多いのですが、


とても綺麗ではっきりした字を読みながら追っていると・・・

真剣な眼差しで、一字一字描いていった、
往時の主の姿が見るようながします!



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