2015年5月24日日曜日

国宝・雪舟「山水長巻」



久々に美術展! ひろしま美術館で開催中の

毛利博物館収蔵 毛利家の国宝・至宝展に行ってきました!


この美術展、見どころといえば やはり雪舟の筆になる四季山水図「山水長巻」でしょう。
眺めている時間は、私にとっての至福の時でした。

全長16mの絵巻を眺めようと、人波が右から左へ流れていくので、
流れを外れて、もう一回、さらにもう一回と、戻っていきながら眺めるのですが

昔、カセットテープで巻き戻しては聴いていたことをふと思い出したり。 その間50分。
私が言うのもなんですけど、線が柔らかい、ほんと絵が上手い!
そして、上手いだけじゃなくって、こういった風景のひとつひとつが、
愛おしくて、好きで好きで仕方が無くって、その情熱で描いたのだろうなぁ~!と
いうことが絵から伝わってくるんです。

俵屋宗達さんも、こんな絵なんですよね。 小動物を書いている絵などを見ていると。
嬉しそうにスケッチしている宗達さんが、横に居るかのような印象さえ受けますものね。

雪舟さんの山水長巻の上に、同じように並べて展示されているのが、
雲谷等顔さんの手になる副本(模写)。 模写といっても、とっても優れた模写で、
本家、雪舟さんの作品とともに国宝に指定されています。

その裏側には、徳川家の命により、雪舟作を江戸に運ばせて模写したという、
狩野なんとかさんの手になる模写。 う~ん、模写。
ちゃんと個性が出ていながら、あれだけの模写をしている等顔さんって、やっぱり凄い!!



山水長巻きは、もともとは毛利に滅ぼされた、山口の守護、大内氏が
山口の地で雪舟を庇護し、所有していたものを
毛利家が受け継いできたもの。

私は 日本の歴史上、あえなく滅亡した一族のなかでも特に、平家、大内氏、奥州藤原氏が
もう少し一族として長命を保っていたなら、今とは別の日本文化が花開いていた可能性が
あると思っているのですが、こういう絵をみると、その思いがいっそう強くなります。


さて、山水長巻で話をしてきましたが、その他も素晴らしい絵画です!

広島の方なら、三子教訓状、あの元就さんといえばのおなじみの絵。
歴史好きの方ならば、
元就の長男で早世した隆元さんの自筆の絵の素晴らしさも見逃せないことでしょう!

会期は、今月末までとわずかですが、日本美術に感心のある方必見です!
雪舟さんって聞いたことあるけど、絵は見たことが無いなぁという方が
いらっしゃったら、ぜひじっくりと鑑賞してみてください! 虜になるかも!?


広島ブログ

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